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人間のフェロモンの発見

フェロモンとは、汗腺などの器官を通じて、体外に放出され、「身の危険を知らせる」、「道を教える」、「異性を惹きつける」などの自分と同じ種に対しては、特有の情報を伝達するためにの物質で、昆虫から、魚類・哺乳類などの動物にいたるまで広く存在しています。長い間、これらのフェロモンは言語などの情報を伝達するための複雑な手段を昆虫などが持っているもので、人間にはフェロモンはなく、認知する器官も存在しないと考えられていました。ところが、1987年頃、バーライナー博士が人間にもフェロモンがあることを発見しました。当時、ユタ大学に在籍していたバーライナー博士は、手足を骨折したスキーヤーのギブスから、剥がれた皮膚細胞を採取して「人間の皮膚にどんな物質が含まれているか」について、研究しました。皮膚細胞の抽出物の入ったビンの中から、人間のフェロモンの研究がなされ、フェロモンを発見して、人間の行動に影響をあたえることを発見しました。

色々なフェロモン

フェロモンと言って、まず思い出すものは、性フェロモンです。成熟して、交尾が可能になったことを知らせるために働きます。周囲の人間は、それを感じて男性を探し当てたり、女性に惹かれたりします。フェロモン香水に配合されているフェロモンです。道標フェロモン 餌のありかなど目的地から巣までの距離にフェロモンを残し、その後、他の個体にたどらせます。アリの行列や蜂の8の字ダンスなどは、これにあてはまります。ススメバチの巣に近づいた人間がハチの大群に襲われてしまったという現象は、この警告フェロモンに関係しています。性周期同調フェロモン 人間で初めて発見されたフェロモンでし。腋下部から分泌される無臭のフェロモンで、それを嗅ぐことにより、月経の周期に変化が起こります。寮などで共同生活を送る女性の月経の周期が同調してくるのは、このフェロモンのためです。このように、フェロモンは人間の生活に影響を与えています。

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動物性フェロモン

今迄、フェロモン香水というと、ムスク(ジャコウジカの性的分泌液)などの動物性フェロモンを配合したものが殆どでした。これらの動物性フェロモンが人間に作用するかという根拠はなく、バーライナー博士が、オスとメスのフェロモンを使った研究を行った結果、人間には何の効果もないことが判明しました。いまでは、ジャコージカのフェリモンはジャコージカにのみ効果を示すことが判っています。人間には人間のフェロモンしか作用しないことがはっきりと判ってきました。
ムスク ジャコージカのオスの生殖線嚢で生成される、赤い脂質状の分泌物、そのままだと異臭を放ちますが、薄めると芳香に変わってきます。現在、ワシントン条約でこの種の捕獲は禁止されています。今、あるものは、殆どが合成のものです。

Copyright © 2007 フェロモンのお話